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東京高等裁判所 平成10年(ネ)2352号 判決 1999年3月17日

控訴人(原告) X

右訴訟代理人弁護士 難波修一

同 兼松由利子

同 鳥養雅夫

同 寒竹恭子

同 向宣明

被控訴人(被告) 株式会社東京都民銀行

右代表者代表取締役 A

右訴訟代理人弁護士 上野隆司

同 高山満

同 廣渡鉄

同 浅野謙一

主文

一  本件控訴を棄却する。

二  控訴費用は、控訴人の負担とする。

事実

第一申立て

一  控訴人

1  原判決を取り消す。

2  被控訴人は、控訴人に対し、原判決別紙物件目録一記載の土地及び同二記載の建物について浦和地方法務局上尾出張所昭和五六年二月二六日受付第五六一三号の根抵当権設定登記の抹消登記手続をせよ。

3  控訴人と被控訴人との間で昭和五六年二月一七日締結された根抵当権設定契約に基づく根抵当権が存在しないことを確認する。

4  訴訟費用は、第一、二審を通じて被控訴人の負担とする。

二  被控訴人

主文同旨

第二当事者の主張

当事者の主張は、原判決の事実欄の「第二 当事者の主張」と同一であるから、これを引用する。

理由

法人について破産手続が開始された後破産終結決定が行われた場合、当該法人に対する債権は消滅するが、破産法三六六条の一三の趣旨を類推して、右債権を担保するために設定された根抵当権の効力には影響を及ぼさず、その場合、独立して存続することになった根抵当権については、被担保債権ないしその消滅時効を観念する余地はないから民法一六七条二項の原則に従い二〇年の時効によって消滅すると解するのが相当である。そうすると、本件根抵当権はいまだ時効消滅したものと解することはできない。そのほかの理由は、原判決の理由欄と同一であるから、これを引用する。

第三結論

控訴人の本訴請求を棄却した原判決は相当であって、本件控訴は理由がないから、これを棄却することとし、控訴費用につき民事訴訟法六七条一項、六一条を適用して、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 大島崇志 裁判官 豊田建夫 裁判官寺尾洋は、填補につき署名押印することができない。裁判長裁判官 大島崇志)

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